過去に起きた事例も知っておきましょう
自宅でペットを飼っている場合、数日以上家を留守にする際などにペットホテルを利用すると便利ですが、その場合、ペットを自宅から外に出して預けてしまうことになるので、その間にどのような状況になるのかが心配です。
ホテルに預けている間にトラブルになることはないのでしょうか?
実際に、ペットホテルの利用中にペットがトラブルに巻き込まれることはあります。
そこで今回は、ペットホテル利用中にペットを襲ったトラブル事例と、解決策についてもご紹介します。
この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
ペットホテルで起きる可能性のあるトラブル
より安全な環境でペットを預けたいと考えている飼い主さんにとって、これから安心してトラブルなく安心して預ける方法があれば、誰もが知っておきたいところです。
ここ日本ではペットを飼っていて自宅を留守にする場合、一般的によく利用されるのがペットホテルです。
ペットホテルとは、ペットを預かってくれる施設のことで、専門の事業者によるものや動物病院が行っているサービス、ペットのトリミングサービス(美容院)業者がペットの預かりサービスをしていることなどがあります。
ペットホテルを利用すると、自宅にペットシッターに来てもらう必要がないので、他人に家の中に入られるおそれはなく、安心です。
しかし、ペットホテルに預けると普段と環境が急激に変わるので、ペットにとっては強いストレスを感じることがあります。
ストレスに弱いペットの場合、体調を崩してしまうことも珍しくありません。
また、ペットホテル内でペットがどのような扱いを受けるのか、事前にはわからないことも多いため飼い主さんは心配になります。
ペットを返してもらうときにも、監視カメラを見せてもらえるとも限らないので、実際の所どのようなお世話が行われていたのか確かめることもできません。
適切に面倒を見てくれていれば問題はありませんが、ペットホテル業者がすべて良心的だとは限らないのです。
ペットがずさんな扱いを受けると、ペットにとっても飼い主にとっても非常に不幸な結果になりかねません。
- 室内環境により、病気をうつされてしまう
- 環境の変化によるペットの体調が悪化
- ペットを扱っている際、慣れない環境によりペットがパニックを起こす、あるいはスタッフの不注意によりペットが骨折
- ペットホテルで飼い主さんが思う基準のお世話をしてくれなかった
- ペットホテル内での人の出入りの際などでペットが逃亡してしまった
- 長期預ける機会があった際、ペットホテルで犬が亡くなってしまった
過去にお客様から上がったケースがあります。これから具体的なトラブル事例を見てみましょう。
病気をうつされてしまった事例
ペットホテルに預ける場合に起こりがちなのが、ペットホテルで病気をうつされるパターンです。
ペットホテルでは、衛生環境を維持する必要がありますが、どの程度徹底するかはペットホテル事業者任せになっている部分があります。
ペットホテルがたまたま病気にかかっている子を預かっているときに、知らずに自分のペットを預けてしまった場合には、病気のペットから病気をうつされてしまう可能性もあります。
主な感染の仕方としては、ケンネルコフと呼ばれる、ある部屋の中に密集された環境の中でウイルスや細菌の飛沫感染(せきやくしゃみなどによって感染する)により感染します。
その他では皮膚の疾患(真菌とよばれるカビの一種)を持っていた犬を触った人が、消毒が十分ではない状態で他の犬に触れることにより感染することがあります。
たとえば、ペットホテルから帰ってきたら、ペットが咳をしていたり、皮膚の様子がおかしくなっていたりすることがあった際は注意が必要ですね。
ペットの感染症にかからないホテルを選ぶには、他の動物との距離が一定は離れており、清潔な環境が望ましいので、直接内部の見学が可能な場所を選ぶと良いでしょう。
ペットの体調が悪化する事例
ペットホテルに預けると、ペットの体調が悪化してしまう事例があります。
主にその子自身が環境の変化に適応できないケースです。
また、ペットの性格として環境の変化に弱い子もいますが、その場合、ペットホテルに移り数日間過ごすと、かなりのストレスを抱え込んでしまいます。
猫などは本来環境の変化(自分のテリトリーから離れる)に敏感にストレスを感じる動物なので、場所が変わった上に、いつものびのび遊んでいる子が狭いスペースに閉じ込められてしまう状態を想像してもらえれば分かるかと思います。
一晩中や一日中鳴き続けることもありますし、餌も食べなくなってしまうこともあります。
ストレスでじっとしていることが続き、すっかり体調を崩してしまうのです。
ある飼い主がペットを引き取りに行ったら、ペットの様子がいつもとすっかり変わってしまっていて驚くこともあります。
結局、ペットが自宅に戻って自力で回復するのを待つしかありませんし、その後はペットホテルの利用をしないようにするしかないでしょう。
ペットは、どのような状況でお世話が行われていたか自分の口で説明することができないので、結局泣き寝入りすることになってしまうおそれがあります。
ペットの性格を無視してペットホテルを利用すると、大きなトラブルにつながります。
その他にも意外と多いのがストレスにより下痢や血便を出してしまうケースや、夏場に注意したい食欲不振から始まり、熱中症にかかるケースです。
ペットホテルで適切に温度管理されていなかった場合もありますが、食事が細くなることで水を飲まなくなってしまった結果、室内の環境にいても動物はすぐに熱中症になります。
熱中症は命に関わることもある恐ろしい症状ですので、注意が必要です。
管理方法がしっかりしているホテルの選び方は、
- 常に清潔に管理されている
- 他の動物との距離が離れている(体調変化があった子がいた場合、専用の部屋があり、個室で対応できているのか)
- 動物病院が併設されていてていても、本当に見てくれているのか(獣医が月に一度しか来ないなど)
- 夜間など緊急時見てくれるのか(店舗の場合、24時間対応で安心と謳っていても、夜間はスタッフがいない場合がある)
- 犬の場合は散歩なども行ってくれるのか、猫は遊べるスペースがあるのか(環境エンリッチメント)
- 飼い主さんは預かっている期間中ホテルと連絡を取った際に現状のペットの状態について包み隠さず伝えてくれるのか
ペットが骨折させられた事例
ペットホテルの利用中、ペットが骨折などの怪我をさせられる事例もあります。
ペットホテルで骨折する状況としては、ホテルで使われることの多い2段、3段重ねのケージで管理をしていた際に、扉の開け忘れなどでペットが転落してしまうケースがあります。
実際に記録に残っているケースですが、犬を数日間ペットホテルに預けて迎えに行ったら、犬が3本脚になって引きずりながら歩いていたのです。
動物病院で診てもらったら骨折していると診断されたので、飼い主は虐待の疑いがあるのではとペットホテルに対して責任追及をしましたが、ペットホテル側は「以前からの骨折のせいだ」などと言って、責任を認めませんでした。
そこで飼い主はペットホテルに対して損害賠償請求訴訟(裁判)を起こし、裁判では10万円の損害賠償が認められました。
ペット預託中の事故でホテルの責任肯定 青梅簡判 平成15年3月18日 ウエストロー
犬の預かり中に足を骨折させた事案で、ペットホテルの責任を認め、治療費損害のほか、誠意のないホテルの対応に対して慰謝料認めた事例である。妥当な判断であろう。寄託契約の本心から考えれば、ペットを預かった時の健康な状態のまま飼い主に返還するのはペットホテルの基本的な義務である。しかし、ホテルが全面的に責任を否定する場合、実際問題として、飼い主は、預ける前にペットの健康状態に問題がなかったことをある程度証明せざるを得ない。本件は、病気ではなくケガの事例だったこと、最近の骨折という獣医師の見解が得られたことなどから、預かり中の怪我であることを推認しやすかったといえる。紛争防止のためには、寄託者(飼い主)、受託者(ホテル)いずれも、預かり時、引取り時にペットの状態を確認しておくことが重要である。
しかし、10万円が返ってきても、犬が骨折によって傷つけられた事実は回復できませんし、飼い主も犬も深い傷を負ってしまったことは取り返しがつきません。
骨折などのトラブルを起こすホテルをどうやって回避するかの方法として、施設内でケガを引き起こす環境でない証明と、スタッフの動物の取り扱いに長けているのかについて確認ができるのが望ましいですね。
ペットホテルで適切に世話をされなかった事例
ペットホテルで、ペットが適切に面倒を見てもらえないトラブルもあります。
ペットホテルでは、ペットに餌をあげたりシャンプーをしてあげたりなどの世話をしてくれるものですが、他の動物達が多い環境(ゴールデンウィークや夏休みなどの犬を預ける件数が増える時期)でスタッフのキャパシティーを超えてしまうと、1頭1頭適切に見てあげない自体が生まれ、体調が悪化してしまうケースもあります。
頼んでいたとおりにフードをあげてくれなかったり、数日間まったくシャンプーをしないで動物を集団にした状態で管理していた業者がありました。
飼い主さんが予定より早くペットを引き取りに行けるようになったためホテルへ向かうと、ペットが汚れていて悪臭がしていたなどの事例もあります。
必ずしも信頼できる情報ではないのですが、利用するペットホテルの口コミがあるのか確認することや、ヤフー知恵袋などのサイトでもペットホテルを利用された方の情報について調べてみても良いでしょう。
飼い主さんは何かトラブルがあった際に確認できるよう、ホテルに監視カメラがついているのか、ホテルを利用する際にトライアル期間などの存在があるのか確認してみるとよいでしょう。
ペットを預ける場合には、適切に世話をしてくれる信頼できる方法を選ぶべきです。
ペットホテルでペットが逸走してしまった事例
ペットホテルの利用中に、ペットが逸走してしまう事例もあります。
動物は、環境が変わるとストレスがかかり、家に帰ろうとすることがあります。このような状態のペットをずさんに管理していると、ふとした隙にペットが逃げ出してしまうのです。
ペットが見つかれば良いですが、そのまま行方不明になってしまうこともあり、そのようなケースでは取り返しがつきません。
また、ペットホテルに過失があったかどうかも明らかにならないことがあり、事業者が賠償に応じないケースもあります。
逸走を防止できるような施設の作りなのか?(路面店などは危険性が上がる)
東京都内などの人口密集地などにより、ストレスを引き起こすような環境が周りにないのか?
そして何かあった際の保証について契約書に記載があるかも確認したいポイントです。
ペットホテルで犬が亡くなってしまった事例
ペットホテル利用中のトラブルとして最悪のものと言っても良いのが、ペットが死亡してしまう事例です。
もともと病気で弱っている場合ではなくても、ペットホテル利用中にペットが突然死することがあります。
この場合、ペットホテルが過失を認めることは少なく、説明もきちんと受けられないので、泣き寝入りになってしまうことが多いです。
ペットが死亡した原因すら明らかにならないこともあります。
このようなことになったら、飼い主はペットの死に目にもあえず、死亡原因もわからないままなので、深刻なペットロスになってしまいます。
こちらに愛犬のホテル利用の条件について記載しています。
ペットホテルに関する判例 千葉地判平17・2・28(平成15年(ワ)第565号) LEX/DB。
次の裁判所は、ペットホテル事業を営む被告に対して、原告が犬9頭を預けたところ、そのうち6頭が死亡し、2頭が障害を負ったことから、損害賠償を請求した事案です。まず、原告は、犬を預けたことによって寄託契約が成立するとともに、飼育管理することを内容とする準委任契約が成立したと主張しましたが、裁判所はこれを排訴し、寄託契約のみが成立すると判示しました。そして、寄託契約の委託料が相場より低かったとしても、犬を扱う プロであれば、善管注意義務の程度が低くなると海することはできないと判示して、請求を一部容認しました。
このように、ペットホテルを利用する場合には、さまざまなトラブルの危険があります。利用の際にはこれらのリスクを踏まえて充分慎重に検討しましょう。
これらのトラブルを防ぐ、ペットシッターという選択肢
あなたのペットを自宅の環境でお世話をするペットシッターが東京都を中心に広がり始めています。
常に個別でペットの様子を見ることができるため、ペットホテルにおけるトラブルに多い、環境の変化によるストレスを軽減できるので、うまく利用されると飼い主さんが抱えるリスクを軽減することにつながるでしょう。
より良いペットライフを過ごすため、飼い主さんが言いにくい日常の悩みについて相談(サポート)できるのも魅力です。
どのようにお世話をしてくれるのか心配な飼い主さんへ向けて、自宅に訪問し直接お世話を見る無料お試し期間も設けておりますので、一度体験してみてくださいね。