猫は顔に出さないけど実はストレスを・・
旅行や急な出張など、突然家を空けなければならないとき・・
ペットホテルやシッターに預けることを検討される方は数多くいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、わんちゃんや猫ちゃんなどのペットにとって、預けられるということは、普段とは全く違う環境に置かれ、どうしてもストレスを抱えてしまうものになります。
そこで今回は、ペットホテルやシッターに預ける際に猫ちゃんがどうしても抱えてしまうストレスには、どのようなものがあるのかを考えていきたいと思います。
この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
旅行中留守番を検討される方はこちら 愛猫が旅行中快適に留守番できる8つの心得|猫の性質に合う預け先とは?
いつもと違う場所にストレスを感じてしまう
ペットホテルは、当然ながら自分の家とは全く環境が異なります。
普段は室外で育てている場合は、突然せまいゲージの中にしまわれてしまうことに、ストレスを感じてしまう子もいます。
また、室内で飼われている子であっても、部屋の中を走り回ることができなかったり、いつもとは違うゲージにしまわれていることにストレスを感じてしまうこともあります。
こうしたストレスを少しでも軽減してあげるためにも、いつもゲージに入れてあげているタオルを一緒に預けたり、いつも遊んでいるおもちゃを一緒に預けてあげるなど、少しでも安心して過ごせるように、工夫してあげましょう。
また、いつもあげているフードやおやつを持っていき、それを与えてもらうように依頼するのもよいでしょう。
少しでも環境に馴染みがあるようにしてあげてくださいね。
スタッフの声や店内の音にストレスを感じてしまう
場所が自分の家とは違うということは、当然、そこで発生する音も普段とは異なります。
知らない人間(店舗のスタッフ)の声や、店内のBGM、来店するお客さんの声など、普段聞き慣れない音がたくさん聞こえてきます。
そのため、普段とは違う周りの音に、猫ちゃんがストレスを感じてしまうケースはよくあります。
他の動物の存在にストレスを感じてしまう
さらに、多くのペットホテルでは、犬や猫、その他の動物なども一緒に預けられています。
そのため、他の動物が鳴いたり、吠えたりする声は当然聞こえてきます。
他の動物の発する体臭ももちろんペットの鼻には届くため、普段見たことがない他の動物の存在はどうしても感じられてしまいます。
そのため、気質が特に弱い子などは、他の動物が近くにいる状況にストレスを感じてしまいやすい傾向があります。
普段、多頭飼いをしておらず、ペット1頭で過ごしているという子なら、この傾向はより強くなります。
そのため、ペットホテルに預けるような可能性がある場合、
事前に他のペットに慣れさせたり、散歩中に他の動物を見せてあげるようにしたりなど、できるだけ他の動物への拒絶反応が減るような工夫が必要です。
夜、無人になるペットホテルが寂しいと感じてしまう
ペットホテルにもよりますが、基本的に夜お店が閉まってスタッフが帰宅してからは、ペットホテルは無人の状況になります。
24時間対応のペットホテルといっても、現実的にスタッフさんが見ている事は難しいかと思います。
家の中で飼われている猫ちゃんは、基本的にいつでも誰かしら家にいる状況で過ごしているはずです。
そのため、無人の状態に対して、とても寂しい、心細いと感じ、ストレスを抱えてしまう子もいます。
大部分の時間をひとりで過ごすストレス
「ペットホテルに預けてから、性格が変わってしまった」
というようなことが起きてしまう理由の一つとして、長時間ペットホテルに預けられ、飼い主と会うことができない環境に置かれることで
猫ちゃんが「自分は置いてきぼりにされた」と感じてしまうことがあるためです。
普段も飼い主さんが仕事をしていたりすれば、日中の大半はひとりで過ごしているはずです。
ですが、夜間ずっと誰もいないというのはあまり経験がないのではないでしょうか?
猫は基本的に群れない動物なので、ひとりが平気と言われたりしますね。
これは猫の性質としては事実ですし、プライバシーを大切にする生き物です。
ですが家で飼われている猫ちゃんの場合、毎日一緒に過ごしている飼い主さんが突然帰ってこないわけですから、やはり普段と生活のリズムが崩れてストレスを感じてしまうことがあります。
その結果、
- どうも食欲がなくなってしまう
- いつも通り猫トイレを使わず粗相をする
といったような形で現れるケースもありました。
後者はストレスだけではなく、もしかしたら抗議の意味もあるのかもしれませんね。
残念ながらペットには言葉が通じません。
自分にとっては「たった一泊の旅行」であっても、猫ちゃんにとっての一日の時間の流れが違いますし、「飼い主さんはいつ迎えに来てくれるんだろう、いつ家に帰れるんだろう」とストレスを感じてしまう状況も考えられます。
自分がペットになったと思って考えてみて下さい。
言葉が通じない相手に、突然別の場所に預けられてしまったら自分が見捨てられてしまったと感じてしまい、飼い主の方への信頼を失ってしまい、
「次にいつまた置いてきぼりにされるかわからない」
と家に帰ってからも元気をなくしてしまう子も中にはいます。
帰ってきてから、飼い主さんはたっぷり愛情を注いであげてくださいね。
~キャットシッターについてはこちらも~
飼い主さん以外の人に世話をされるストレス
「犬は人につき、猫は家につく」って言葉、ご存知でしょうか?
犬は飼い主に懐いて飼い主を慕うけれど、猫は家や環境に懐くという意味になります。
昔は、「猫は家につくものだから」
と、引っ越しの際にそのまま猫を元の家の周辺に置いていってしまうケースも珍しくなかったようです。
ですがこの言葉はそういう意味ではなく、家につくと言われるのは猫が環境の変化に弱いことが原因なのです。
決して飼い主に懐かないというわけではありません。
猫ちゃんを飼っている人なら分かると思いますが、信頼している人の前ではリラックスした姿を見せています。
甘えん坊の猫ちゃんは飼い主さんが座ったらすかさず膝に乗ってゴロゴロ…
なんてこともありますし、一見ツンとクールタイプの猫ちゃんでもやっぱりどこか飼い主さんの前では心を許していたりするものです。
そのため、普段と違うスタッフがお世話をする時は「この人、だれ!?」と警戒するのが自然です。
私がシッターサービスを行う際、人見知りの猫の場合は、スタッフが家に入るとサッと隠れてしまって一切姿が見えないなんてこともあります。
そういうケースでは飼い主さんから事前に猫ちゃんの性格を聞いているので、なるべくストレスを与えないよう水やご飯、トイレなどのお世話に留めるようにしています。
また、人懐こい猫ちゃんであれば一緒に遊ぶ、
距離を保ってこちらを伺っている猫ちゃんにはしつこく構わず様子を見つつ対応する
など、タイプによってお世話の仕方も変えます。
つまり、猫ちゃんの性格によってはお世話をする人が変わるとストレスになってしまうケースがあるということです。
慎重派の猫ちゃんを飼っているのであれば、スタッフとの事前打ち合わせの際に猫ちゃんとの顔合わせを丁寧に行っておくのもひとつの方法です。
どうしてもスタッフとの相性があまり良くなさそうであれば、他のサービスを探してみても良いでしょう。
ストレスの度合いは猫の性格によって大きく変わる
このようなストレスをどの程度感じるか、その度合いというのは猫ちゃんの性格によってかなり大きく違ってきます。
元保護猫だったり警戒心の強い猫だったりすると、飼い主さんの留守とペットシッターの訪問の両方が予想以上に負担になることも。
一方で、あまり普段の様子と変わりなく、シッターに甘えて一緒に遊んでくれるような猫ちゃんもいます。
留守後に体調を崩してしまうなどの場合は、もしかしたらかなりのストレスを受けてしまったかもしれませんので、どうすればより負担を減らせるか、対策を検討してみる必要があります。
シッターは帰宅後に、留守中の猫ちゃんの様子を報告書でお渡ししてお話しさせていただくので、それを元に猫の様子をじっくり観察してみてみましょう。
もう少し猫との関わり方を変えてみてほしいなど、次回の要望がある時にはなんでも話してみてくださいね。
ちなみに、何度か同じお家にシッターに行かせてもらっていると、猫ちゃんも徐々に慣れてきてくれることが多く、そんな時は嬉しくなるものです。
ここからは、ペットシッターを利用するときにこれだけは伝えておいてほしい内容を、6個のポイントに絞ってお伝えします。
実際に猫ちゃんをストレス少なくシッターに預ける際のポイント
大切な猫ちゃんをお預かりするにあたって何が一番大切かというと、「事前の打ち合わせをしっかりすること」、なんといってもこれに尽きます。
普段のお世話内容はもちろん、猫ちゃんに緊急の事態が起きたらどうするのか、想定外な状況にもしっかり対応できるような体制を作っておくのがベストですよね。
【1.猫ちゃんの食事について】
まずは、食事に関しての項目です。
ペットシッターは家主さん不在の状態で自宅に入る仕事なので、トラブル防止のためにも家の中のものを勝手に触ったり、あちこち物を探したりすることは避けたいと考えています。
そのため、猫ちゃんにあげるフードやその予備がどこにあるのかなどは、きちんと把握しておきたいと考えています。
また、多頭飼いでそれぞれの猫に対してフードを変える必要がある場合などは、間違いを防ぐためにもしっかり内容を伝えてもらうことが大切になります。
猫ちゃんが、
・普段はどの程度の量を食べているのか
・小食なのかたくさん食べるのか
なども、ぜひ教えてください。
いつもの様子を事前に伝えておいてもらえると、「あれ、なんだか聞いていた話と違うな?」と、猫の健康状態にもいち早く気付くことができるなど、チェックする上でもとても参考になります。
食事とは別におやつを与えたい場合などももちろん対応できますので、漏れがないように伝えてもらえると良いですね。
【2.猫ちゃんのトイレについて】
こちらも食事同様、
・お掃除用品や予備のトイレ砂はどこにあるのか
・掃除後の排泄物はどのようにしたらいいのか
など、シッターが迷わずに作業できるような内容を伝えてもらえると助かります。
また、普段のウンチやおしっこの頻度や状態などが分かると、これも猫の健康チェックに役立ちます。
もしシッター中に猫が少し下痢気味だったり、ウンチを全くしていなかったりした時、これが良くあることなのか、普段はほとんど起こらないことなのかでも対処の仕方が変わってきます。
トイレは健康管理に重要な項目なので、特に把握しておきたい項目です。
【3.気を付けたい猫ちゃんの癖や特徴について】
普段一緒に暮らしている飼い主さんにとっては当たり前になってしまって、つい言い忘れがちなのが、猫の癖や特徴などです。
たとえば室内と玄関の間にゲートや仕切りがない場合は、猫が玄関ドアまで自由に来ることが出来ます。
もしもドアを開けた瞬間を狙って外に出たがる癖がある猫ちゃんだったりしたら、これは注意が必要になる場面です。
ペットシッターが訪問した際に万が一のことがあっては困りますから、
「ドアの開閉時には猫が外に出ないようにする」
など、普段暮らしている中で気を付けている点をよく思い返し、必ず伝えておくことでトラブルを防止することが出来ます。
シッターもプロなので、シッター中は猫の様子に気を配り、それに合わせた慎重な対応を心がけています。
ですが、飼い主さんから事前に性格をお聞きすることでよりリスクを減らすことが出来ますので、猫ちゃんの安全のためにも押さえておいてくださいね。
【4.病歴やかかりつけの動物病院】
次に、万が一シッター期間中に猫ちゃんの具合が悪くなってしまった時のことです。
なんらかの病歴がある場合は、特に注意したいポイントになります。
緊急で様子がおかしくなってしまった場合には、シッターが直接動物病院に連れていくケースもあります。そのため、
・かかりつけの動物病院の名前、連絡先
・診察券
・ワクチンの証明書
など、情報と必要なものを一通りまとめておくようにしてください。
可能であれば動物病院側にも「自分が留守にする間、何かあればペットシッターさんが動物病院に連れてくる可能性がある」ということを伝えられればより良いですね。
【5.自宅に関しての注意点】
ペットシッターがお邪魔する自宅内には、プライバシーに関するものがたくさんあるので、
・出来る限り見ない、余計なものに触らない、
・業務上で知り得た個人情報を絶対に口外しない
など、信頼関係を作る上でも常に気を付ける部分です。
ただし、こういった基本的なルール以外に、それぞれの飼い主さんによって気を付けてほしいポイントは違ってくることが多いです。例えば、
・この部屋は絶対に開けず、猫も入らせないようにしてほしい
・帰宅するときは必ず電気を消してほしい(もしくはこの部屋だけはつけておいてほしい、など)
などの個別の要望です。
もし何か頼みたい事柄がある場合には、その内容を具体的にまとめておくと良いでしょう。
指示があれば、シッターはその内容に沿って自宅内で行動することが出来ます。
【6.自分自身の状況と緊急連絡先について】
飼い主さんが旅行で外出するなら、帰宅日が決まっているのがほとんどかと思います。
ですが、例えば出張の場合は仕事の都合で滞在が数日伸びるケースもあるかもしれませんね。
ペットシッターは、特に繁忙期にはシッターを何件も掛け持ちしていて、時間単位でスケジュールが埋まっていることもあります。
急な延長の申し出に対応できるのであれば良いのですが、個人のシッターの場合は特に融通が利きにくいこともあり、いざとなってからお互いに困ってしまいかねません。
ご自身の状況については、確定でなくても事前に伝えておくことをおすすめします。
また、日程の急な変更があったり、シッター側だけで判断がつかないことが起きたりした場合に重要になるのが緊急連絡先です。
電話連絡が主流ですが、すぐに連絡がつくとは限らないため、つながらなかった時にシッターにどのように動いてほしいか、あらかじめ希望しておくのもポイントです。
もしメールのほうが良いのであれば、電話番号の他にメールアドレスを交換しておくのも手です。
いずれにしても、緊急連絡先についてはお互いにしっかりと確認しておきましょう。
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まとめ
猫ちゃんをペットホテルやシッターに預ける際感じてしまうストレスにはどのようなものがあるのかをご紹介させていただきました。
ペットホテルやシッターに猫ちゃんを預ける際には、
「うちの子は大丈夫なのだろうか?」
「寂しい思いをしているんじゃないか?」
と、様々な心配事は尽きないと思います。
今回お伝えしたように、事前にペットホテルで猫ちゃんが抱えてしまう可能性のあるストレスについての知識を持っておけば、事前にそれらに対して対策を講じることもできますし、ペットシッターという自宅の環境そのままでお世話ができるサービスもあります。
大切な猫ちゃんのストレスのない生活のためにも、是非参考にしてみて下さいね。