繊細な小動物のためには?
今回は私がペットシッターサービスを提供していく中で、徐々に増えてきた、お客様が不在時などで小動物のお世話をお願いする際に気になる、ペットホテルとペットシッターの違いについてお話します。
ウサギやハムスターなど小動物と暮らす中で、旅行に帰省に出張に・・・とどうしても「預けなければならない」「預けた方がいい」場面は生じるものです。
しかし、元々体も小さい小動物は、環境の変化に敏感です。
繊細なウサギやハムスター達は長時間飼い主さんが不在となった際、いつもと違うことはすぐに分かります。
環境の変化には注意したい動物たちです。
飼い主さんも愛する小動物に何かあったらと不安を感じるものですよね。
万が一のことも考え、留守の時、帰宅が遅くなってしまう時にはペットのプロに相談と依頼をしましょう。
今回は飼い主さんも悩むことの多い小動物を預ける際のペットホテルとペットシッターの違いについて解説します。
この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
小動物(うさぎ、ハムスター等)をペットホテルに預けるメリット
小動物の預け先としてまず思い浮かぶサービスはペットホテルでしょう。
最近は一部に動物病院併設型、ワンちゃんやネコちゃん向けとしてケージを使用しないフリースペーススタイルのペットホテルがオープンし、何かと話題になることも多いものです。
ペットホテルを利用するメリットといえば、なんといっても皆さんにとって一般的思い浮かぶ選択肢ということでしょう。
一般的な小動物の受け入れ可能なペットホテルでは、以下のサービスが提供される事が多いようです。
持ち物は普段食べるフードやいつも使っているケージ類、その中身であるウサギならかじり木や、ハムスターなら回し車など慣れ親しんだものがあれば持参もできます。
料金体系が明確
小動物を預かるペットホテルといってもホテルによってサービス内容は様々です。
例えば、ペットサロンに併設されているペットホテルの場合は、預けている間にトリミング(小動物の場合は爪切りなど)を行ってくれるサービスもあります。
動物病院に併設されているペットホテルの場合は、体調をくずしてしまったときなどの緊急時にスムーズ処置してもらえるなどのメリットがあります。
スタッフが24時間常駐していると謳っているペットホテルは一部存在しているようですが、一日中小動物を見ていてもらえる、という売りはとても安心感があるイメージですね。
しかし、一方で都内のペットホテルは店舗内の面積も広くないので、見ず知らずの動物と同じ室内ですごす事が多いのですから、中にはストレスから体調を崩してしまう場合も少なくはありません。
スタッフの対応&個別で小動物を確保するスペースがあるのか?
などを判断基準にして、一度小動物が止まるスペースの見学依頼をしてみても良いと思います。
小動物をペットホテルに預けるデメリット
ペットホテルを利用後、小動物を飼う飼い主さんから多くあげられる感想の中には、
帰宅後、下痢などの体調不良がみられる
小動物の滞在スペースが狭く、ケージ内に入ったままでかわいそう
他の動物の鳴き声に怯えていて、安眠できていなかった気がする
食事の食べ残しがあり、食欲が減退していた
といった声が上がっています。
小動物など、ペットホテルに預けたことのある方からの事例です。
ペットホテルに小動物を預ける最大のデメリットは、いつもと環境が変わってしまうことです。
特に、体が小さく環境の変化に敏感な小動物、飼い主以外の人間にお世話をされるのが苦手な子には、ストレスで体調をくずしてしまうことが少なくありません。
また、一度にたくさんのペットが宿泊しているため、時期によりご予約が埋まってしまうことや、個別に対応することが現状困難で、ペットホテルによっては他の動物との距離が近く、指定されたゲージの中に長時間入れられているペットホテルも数多く存在します。
細かな対応が必要な小動物にとっては難しい環境でもあります。
ペットホテルを利用したお客様の事例として、小動物に適したスペースが用意されていなかったり、小動物の体が汚れてしまっていたなどのトラブルもあるようです。
健康で元気なペットが慣れない環境で過ごすことを強いられるのはとてもかわいそうですし、このようなストレスが原因でお腹を壊して下痢をしてしまうこともあるのです。
また、他のペットやペットホテルに慣れることが難しい小動物の場合、同じ部屋にいるだけでもストレスを感じますし、ペットホテルにはほかのペットも数多く宿泊しているため、病気などに感染してしまう危険性もあるのです。
このような状態を目にすると、繰り返し小動物を預けるためペットホテルを利用する事をためらい、自身の旅行や仕事の調整をしなければと感じる事でしょう。
しかし、中には調整できない用事も当然あるものですよね?
他の動物がいる、いつもと違う環境に小動物を預ける以外の選択肢があるのをご存知でしょうか?それが次にご紹介する”ペットシッター”です。
小動物をお世話するペットシッターという選択肢
ペットシッターとは、「ペットのお世話代行業」の意味です。一般的には飼い主さんが留守中のウサギ、ハムスターなどの小動物の食事のお世話代行やトイレの清掃などを主に行います。
実は海外では、ペットのお世話といえばペットホテルではなく、ペットシッターに依頼する事がごく当たり前とされています。
日本でもその流れを汲み、ペットシッターサービスの利用者が増え、サービス内容も日本の生活スタイルにあったものとなっています。
また、飼い主の帰宅が遅い日の食事など一時的な利用や、動物病院への通院代行、飼い主さんが体調不良の際にお伺いしてサービスを行うなど、それぞれのペットシッターが請け負う事もあり、お客様に合わせた対応が可能となるのも魅力の一つです。
料金は所要時間やサービス内容、小動物の種類などで決まります。
自宅に来てペットのお世話をしてくれるペットシッターのペットホテルとの違いは、
環境が変わってしまうと不安やストレスを感じやすいうちの子でも、自宅でお世話をしてもらうことができるので犬や猫と比べ、環境の変化に特に敏感な小動物にとっては環境の変化を少なくできるので安心です。
ペットシッターのメリット
ペットシッターサービスを利用する一番のメリットはさきほども伝えた通り、「いつもの環境」で生活が出来る事です。いつも住んでいる、慣れ親しんだ自分のテリトリーで小動物たちはいつも通りに過ごす事ができるのです。
この点は、とても大きなメリットといえるでしょう。
そして小動物の健康管理で特に大切な「温度調節」もいつもの自宅での環境となりますし、他の人に慣れていない子であれば、安易に環境を変えるような事をせず、お客様からの要望そのままにお世話ができます。
そして、他のペットとの接触がないため他のペットホテルなど外部要因から病気に感染する心配もありません。
指定した時間に自宅に訪問してくれるので、ペットホテルへ行く際は移動が必要ですが、シッターは送迎しなくてもよいのもメリットの一つです。
一度シッターと関係を作ればその後は継続してスムーズに自宅でそのままお世話ができます。
ペットホテルは何名かのスタッフが複数の動物のお世話をしていくのに対し、ペットシッターの場合、細かく打ち合わせを行った上で、自分のペットだけを性格や習慣に合わせてマンツーマンで丁寧にお世話をしてくれるのが大きなメリットです。
自分のペットだけを見てくれる、ということはとても安心感がありますよね。
いつもと変わらない環境で、いつものおもちゃで遊んだり、いつもと同じ道をお散歩してもらうことでペットの負担をとても少なくすることができます。
また、ペットシッターのいない時間でも普段のお留守番と変わらずに過ごすことができるのも大きなメリットと言えるでしょう。
ペットシッターのデメリット
しかし、一方でデメリットもないとはいえません。
ペットホテルとの違いは日本の生活スタイルにおいて、たとえプロといえども留守宅の鍵を預けることがあります。
飼い主さんは家族以外の訪問がある事に不安を感じることもあるかと思います。
飼い主とペットシッターの間に信頼関係がなければ、留守中の自宅に他人が入るという不安は否めませんよね。
しかし、そのような不安に関しては事前にペットシッターと細かな打ち合わせを行い、小動物たちとの触れ合いの時間を作る事で解消できる事が多いものです。
私としても飼い主様のご希望をお聞きしながら、まずは飼い主様のご要望をお聞きするために、電話やメールでの相談も積極的に行っております。
そして私がシッターをする際には、不在時の様子を動画や見守りカメラなどを活用しシッティング状況を報告も行うのはもちろんですが、お客様の要望があればリアルタイムでうちの子の様子をお伝えしています。
ペットホテルなど預け先を探すにあたって、ペットホテルのような移動を伴うことが苦手、人見知りがちな性格の小動物の場合は、出来る限りストレスを軽減してあげるためにも、お早目にペットシッターの利用をぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
ペットホテルとペットシッターの違い・まとめ
いかがでしたでしょうか。小動物を預けるならどっち?ペットホテルとペットシッターのメリット・デメリットを紹介させていただきました。
ペットホテルとペットシッター、どちらにもメリット・デメリットがあるので、ペットの性格や体調、また、飼い主さんの希望に合わせて使い分けることができるといいですね。
ペットホテル | ペットシッター | |
---|---|---|
営業形態 | 基本は店舗それぞれの営業時間による | スタッフにより早朝、夜間帯の対応可能 |
料金 | 通常料金の種類として、一泊の場合と、一時預かり料金に分かれる | 朝と夕方に伺い、1回30分など時間単位で発生する |
衛生環境 | ペットホテルの環境によりけりだが、他の動物との接触・感染機会がある | 自宅の環境で行う事ができる、シッターの消毒がしっかりしていれば◯ |
ペットの安全 | ペットホテルそれぞれ施設内によるが、路面店などは逸走の危険あり | 自宅内、シッタ-の施錠対応次第で◯ |
ペットのストレス | ペットホテルへの移動、慣れていない環境へのストレスあり | 自宅の環境そのままで行う事ができる |
あらかじめ決められたルールに従いお世話をするのがペットホテル、マンツーマンで臨機応変に、ストレス軽減のお手伝いができる存在がペットシッターです。
シッターの通常料金も時間単位で受けることができるので、ペットホテルとそこまで変わりはありません。
当店では普段からご自宅でお客様のペットのお世話を続けているシッターになると、様々な性格の子達と接してきた経験から、他の人に慣れない子でも距離を保ちながらお世話ができます。
むやみに声をかけ、可愛がることだけが愛情ではありません。
ペットのストレスを減らし、不安なく飼い主を待っていられる環境を選んであげましょう。