大型犬の多頭飼い|快適な留守番のために飼い主さんができる工夫

大型犬を多頭飼いする楽しみ|飼い主さんがいない間にも

犬は猫と違い、基本的に群れで生活する動物ですので一頭で飼うよりも多頭飼いをした方が自然の姿に近づきます。

子犬の頃からずっと一頭で過ごしていると、どうしても犬同士の社会性をつけることは難しくなります。犬を飼うのであれば理想は多頭飼いなのです。

しかし多頭飼いは一頭飼いと比べて食費も予防注射などの諸費用も倍になります。

特に大型犬となると飼い主の負担はかなり大きくなるでしょう。費用の問題の他にも、散歩などの対応もたいへんです。飼い主には相応の覚悟が必要になるのです。

それでも愛犬のことを考えて、多頭飼いする飼い主は多いですね。犬を飼った経験のある方は、一度は多頭飼いを考えるものです。

犬好きであったら、経済事情などが都合がつくのであれば誰もが多頭飼いしたいのではないでしょうか。

今回は多頭飼いする場合のポイントや、留守番する際の注意事項について触れていきます。問題点や予防策を考えていきましょう。

留守番に慣れるよう飼い主さんの接し方に注意

寝そべるブルドッグ
留守番になると問題行動を起こす犬がいます。室内の物を噛み散らかしたり、家具をかじる、カーペットを引き裂く、至る所にマーキングするなどです。逆に激しいグルーミングで自分の肌を傷つけてしまうケースもあります。

犬の性格に起因する部分もありますが、大部分は飼い主側に問題があります。

一つは愛犬への過剰な愛情が、逆に問題を大きくしているという点です。留守番など特別な事ではなく、飼い主がいない時間があるのが当たり前という生活に慣れる必要があります。

それがお互いのためなのです。庭で飼っている場合は自然とこの距離感が保てますが、常に一緒にいたり、一緒に寝ていたり、常に抱いていたりすると愛犬は「分離不安症」を引き起こします。

飼い主がいないことに不安や危険を感じ、その強烈なストレスを和らげるために室内をぐちゃぐちゃにするという行動に繋がるのです。

留守番前後の過剰な挨拶は、愛犬にとって飼い主さんが外出し、寂しくなる合図だと学びます。

愛犬に目もくれないで家を出るくらいがちょうどいいのです。

もうぎとつは先住犬の行動を学びます。先住犬が留守番を落ち着いてすることができれば、二頭目に対し先住犬が良いお手本となってくれます。

むしろ二頭目が先住犬を真似るはずです。実はしっかりとしたしつけができていない場合は、多頭飼いになった瞬間に悪行が見られるようになります。

競い合って悪さをするようになるのです。これから多頭飼いする場合はまずは先住犬の留守番を成功させましょう。

ケージを利用することは悪ではない

おとなしく留守番する犬
犬を飼っているとケージ(サークル)に入れておくのが不憫に感じてしまいます。ケージは狭くて運動ができないからです。

ですから留守番の時はフリーにするという飼い主も多いです。

フリーにしておくことが悪いことではありません。ただ、ケージにいることも悪いことではないのです。

犬は本来安心できる狭いスペースを作り、そこで落ち着きます。外敵が侵入してこないという安心感があるからです。もちろんあまりに長いことケージに入れられてしまうと運動不足や暇を持て余してストレスになりますので注意してください。

つまり留守番の時間帯はケージに入れておくということは、犬にとって大きな問題ではないのです。飼い主側が一方的な罪悪感にかられているだけかもしれません。

特に多頭飼いしているが、その犬同士の相性が良くない場合は、それぞれケージに入れて独立させて留守番させることをお勧めいたします。

相性が悪くなくてもしつけが行き届いていないのならば、同様に分けてケージに入れて留守番させるべきでしょう。

ケージで留守番できるようにすることが、大切なしつけの一つなのです。

多頭飼いするときの工夫点

小型犬と大型犬が散歩
一人で留守番するときと違い、多頭飼いの場合は、飼い主と離れても分離不安症にはなりにくいです。寂しいという気持ちや、一人では生きていけないという不安が群れでいることで解消され、安心して留守番の時間を過ごせるようになります。

これには犬同士の相性の良さが大切です。多頭飼いする際にはポイントにあげてほしい点がいくつかありますのでご紹介いたします。

まず性別ですが二頭の場合は別々の性別が望ましいです。こちらの方が相性は合う可能性が高いです。
さらに、できるだけ先住犬が若い頃に二頭目を迎えてあげたほうが受け入れられやすいでしょう。
二頭目が家に来た日にはまずはケージに入れて様子を見ます。先住犬ではなく、あくまでも二頭目をケージに入れておきます。

少しずつ慣れていき、先住犬の警戒心も収まり、ケージの外に出すこともできるようになっていくのです。

理想はやはり一週間なり一緒に過ごしてみることです。お試し期間がある場合は必ず試してみてください。

相性が悪すぎて、二頭目をすぐに手放すことになるケースもあります。

ペットショップではこのサービスをしているお店は少ないかもしれませんが、できるのであれば一週間は様子を見たて、犬同士の相性を確認したいですね。