集合住宅であるマンションに暮らしていると、「ペットを飼いたいけれど大丈夫かな?」と心配する人も多いですよね。
でも、癒しを求めて猫とマンションで暮らす人たちも近年増えてきています。ペットOKというマンションなら、猫との暮らしも叶えてくれますが、集合住宅ならではの注意点がいくつかあります。
ペット可のマンションは多い?少ない?
ひとむかし前にはペットを飼いたければ一戸建てに住むしかない風潮があり、ペット可という物件はごくわずか…。
「マンションだからペットが飼えない」というフレーズは多く耳にしたものです。ペットを飼っている家庭自体も今よりも少なかった時代です。
しかし、ここ20年くらいで、犬や猫などペットを飼う人の数が急増しています。ある統計によれば、全世帯の2割程度が犬や猫などのペットを飼っているとのこと。
そのため、築浅の中古物件や新築分譲マンションでは「ペット可」のマンションが増えてきています。
新築分譲マンションや築年数が10年程度の中古マンションから探して購入すれば、猫と一緒のマンション暮らしは難しくないでしょう。
一方、賃貸マンションで猫と住みたい場合はどうでしょうか。実は、賃貸物件の方は供給数がかなり少なめです。
これは、賃貸物件のオーナーがペット原因のトラブルに巻き込まれたくないと考えているケースが多いからのようです。
ペットの鳴き声などの近隣トラブルはもちろん、室内の傷の修復費用を考えると、管理費用が高くついてしまう…というのが背景にあるようです。
ただ、築年数が経過して古くなり、なかなか入居者が見つからないような空き部屋は、ペット可として貸し出されることも多いとか…。
近年の猫ブームで、猫は身近なペットとして一人暮らしや高齢の方も飼うようになってきました。
猫と一緒にマンションで暮らす場合、購入の場合は築浅物件、賃貸の場合は築古物件から探してみるのがよさそうですね。
マンション暮らしで猫の飼育する際の注意ポイント
ペット可とはいえ、マンション内すべての住戸でペットを飼っているわけではありません。
なかには、ペットが苦手…という人もいるでしょう。快適な毎日を送るためには、ルールとマナーを守って近隣に配慮した生活をすることが大事です。
猫とのマンション暮らしで注意したいポイントをご紹介します。
◎その1.落下事故や脱走に気をつける
ベランダからの落下事故や脱走には要注意です。
マンションの醍醐味と言えば、ベランダから見える景色ですよね。広々と開放感のある景色を眺めたいとマンション暮らしを考える人も多いでしょう。
しかし、このベランダが猫を危険に巻き込む可能性があります。猫は運動神経がいいので、高いところは平気そうな感じもします。
確かに、1階程度の高さならジャンプしても素晴らしい着地を見せてくれます。しかし、3階以上の高さから落下するとケガや命の危険があります。
頭のよい猫は、網戸を開けてベランダに出ることもあります。そのため、ベランダには出さないように窓を閉めておくことが大事です。
また、落下防止対策としてベランダ全体に網やネットをつける方法もあります。
ただ、ベランダは共用スペースでもあり、自分の勝手な判断でつけるわけにはいかないでしょう。
外観を損なうとしてNGとされるケースもあります。管理規約を確認してOKが出れば対策として行うことができます。
また、飼い主の目の届くときだけハーネスをつけてベランダに出してあげる方法もあります。
ただ、リードが長すぎて引っかかったり、猫の力に負けて飼い主さんが引っ張られてしまったりということもあり十分注意しましょう。
そして、猫のために高層階を避け、低層階に住むという方法もあります。
たとえ低層階でも外に出てしまうと事故や感染症のリスクが増えるので、マンションで猫を飼うなら完全室内飼いがおすすめです。
完全室内飼いにするには、猫が運動不足にならないための配慮が必要です。猫は高低差を利用した遊びが大好きなので、キャットタワーや家具を利用した猫の遊びスペースを考えてあげましょう。
◎その2.鳴き声や飛び跳ね音の対策をする
同じペットでも犬と比較すると猫の鳴き声は小さい音量。部屋で鳴いていたとしても、防音対策の整っているマンションなら近隣に響くことはあまり考えられません。
ただ、猫のテンションが高まったときや発情期の時期の鳴き声は結構大きいものです。去勢や避妊手術を行って発情期の声対策をすることも考えておきましょう。
また、高いところからの飛び跳ねの際に出る音はマンションのコンクリートを伝って周囲に響くことがあります。
猫は夜行性なので、夜間に周囲の人が寝静まったときに運動会並みに動き回ってしまうことがあります。
遮音性の高いマットやカーペットを敷くなど、音を響かせない対策をしましょう。
もっともいいのは、一緒にたくさん遊んであげたり一人遊びをさせたりと日中寝せないようにして、夜間にグッスリ眠ってもらうことです。
◎その3.室温に気をつける
気密性の高い構造のマンションは、冬には暖かく過ごしやすいです。しかし、夏には室温に注意する必要があります。
窓を締め切りで留守番させると温度が上昇して熱中症になりやすいです。冷房をつけておくなら、少し高めの28度くらいの温度設定がいいでしょう。
また、通気をよくするために窓を開けると網戸を開けて外に出てしまうリスクもあります。脱走事故の原因にもなるので、十分注意しましょう。