長期のペットホテル滞在による、環境の変化によるストレスとは?
愛犬はどこへ行くにも絶対に一緒に連れて行く!と犬を飼う前は固く心に決めていたとしても、いざ現実ともなればそうもいきません。
前回お伝えしたようにどんな犬でも長期留守番をすることになればストレスがたまります。
逆に飼い主と離れ離れになってストレスを感じない犬はいないでしょう。
ですから犬を飼うと決めた方の中には、長期家を離れる旅行はしないときっぱりと決断している話もよく耳にします。
しかし、旅行でなくても長期留守にするケースはありえるのです。例えば飼い主が何らかの怪我や病気をして一週間ほど入院する可能性もありますね。この場合は一週間以上になるかもしれません。
もしものときのことを考えて、今から少しずつ訓練していくことは大切です。そのためにも犬はどのようなことにストレスを感じ、どのようにすればそれを軽減できるのか、飼い主が知っておくことは大切です。
今回はペットホテルに長期預けることでどのようなストレスを感じるのか、そしてそれをどのように解決していくのかについてご紹介いたします。
飼い主と離れ離れになることで感じるストレスとその解決方法
飼い主と長期離れることは愛犬にとってストレスになることは間違いないですが、感じるストレスに大小があります。
強烈なストレスがかかった場合、犬は異常行動をとったり、病気になったりします。
実際の行動については前回お伝えしました。精神面に後遺症のようなものが残るケースもあるほどです。
まずいえることは、「飼い主への依存が強いほど、長期離れたときのダメージは大きくなります」。
「依存」に関しては一方通行ということはほとんど考えられません。
つまり「愛犬の飼い主への依存が強いということは、飼い主の愛犬への依存も強い」ということです。
この状況は飼い主が作り上げているといえます。
具体的な例をあげると、常に愛犬にべったりで、すぐに愛犬を抱っこしたり、毎日くっついて眠っているような関係です。
数時間の留守番はあるにしても、ほとんどの時間は片時も離れない。自然と愛犬の飼い主への依存は強くなっていきます。
この状況でいきなりペットホテルに長期預けるなど拷問に近いですね。
これは人間同士にも通じるところがあります。
常に親がべったりだと、子供は親がいないと不安を感じ、何も手に付かなくなります。いつまでも自立ができない状態です。
そうならないためには「一定の距離感」というものが必要になります。
愛犬が可愛く感じるのは当たり前の話ですが、だからといって常にべったりではいけないということです。
愛犬がひとりで過ごす時間があるのは当たり前、そう割り切らなければなりませんし、留守番に対して飼い主が不安を感じたり、それを表現することはNGです。
飼い主の不安は必ず愛犬に伝染します。
まずは日ごろの留守番から、ひとりの留守番は当たり前という雰囲気を作りましょう。
自宅での留守番でできないことを、ペットホテルでできるようにはなりません。
自宅で留守番の訓練、ハウストレーニングを繰り返すことが、いつか愛犬のためになるのです。
これは愛犬のしつけや「社会化」とも繋がる部分です。成犬になってから突然始めても効果は薄いでしょうし、逆効果になる可能性もあります。
子犬の頃に訓練しておくことが効果的なのです。特に生後4週間から13週間の「社会化期」と呼ばれる時期に少しずつ慣らしていきます。
得にハウストレーニングは重要です。寝ている時間や食事をするときはケージにいることが定着すると、ケージは安全な場所という認識が身に付きます。
するとペットホテルで飼い主と離れて長期間過ごすようになった場合のストレスは軽減できるでしょう。
新しい環境に対するストレスとその解決方法
犬は新しい環境にも強いストレスを感じます。
仮に飼い主が傍にいても、新しい住居に引っ越すと愛犬はストレスで下痢になったり、小さな音でも気にしたりします。
外の環境にまったく慣れていない犬が、犬の宿泊も許可されている施設で一泊するだけで、自宅に戻ってくると下痢になったりもします。
もちろん犬種によってこの傾向が強い、弱いがありますが、どういった犬種であれ、こちらも経験によってカバーが可能になります。
「慣らし」というものです。自宅で預ける環境づくりが一番ですが、まずはそのペットハウスに短時間過ごすところから始めてみましょう。
いきなり丸一日は厳しいです。もしもそのペットハウスがトリミングなどをしているようであれば、トリミングで預けてみるのがいいでしょう。
トリミングであれば1時間や2時間くらいですから練習にはちょうどいいですね。
トリミングや練習として数時間預けてみて愛犬の反応を確認します。
店員さんとの相性や店の雰囲気との相性もありますので、次にまた預ける際に極端に愛犬が嫌がる素振りをみせたら店を変えた方がいいかもしれません。
預けた後でずっと下痢が続くとか、食欲がなくなったなどの反応がある場合も同じですね。
このときに店に愛犬の様子などをしっかり確認しておくと、信頼できる店かどうかの判断もある程度はつきます。
預かっている犬の数が多くてほとんど目が届いていないような店もありますので、そういった感じであれば他の店に変えるべきです。
店の雰囲気や店員さんの雰囲気もいいようでしたら、多少下痢をしていても慣れさせるようにチャレンジしたほうがいいでしょう。
愛犬が店の臭いにも慣れ、店員さんにも慣れてくると様子は変わってくるかもしれません。
まずは一つずつ、お店の見学に愛犬と行く→一時預かりを試す→半日→一日と預ける時間を長くしていきます。
こうすれば、いきなり長期間ペットホテルに預けるのと比べると格段にストレスは減少します。犬にも心構えができますし、店員さんへの信頼感を抱き始めれば多くの問題が解決するでしょう。
ここでポイントなのは、まず飼い主と店員さんの信頼関係を築くところから始めることです。
愛犬の特徴や癖、注意しなければならないことなどをしっかり店員さんに伝えます。預けたときの様子も確認します。
そういったコミュニケーションの機会を増やしていくことで信頼関係は築けるはずです。飼い主の安心感は愛犬に伝わります。
他に犬がいるなど自宅以外で感じるストレスとその解決方法
ペットホテルも商売ですので、一頭だけを預かっていたのでは成り立ちません。
数頭の犬を預かることになります。日頃多頭飼いをしているのであれば大きな問題になりませんが、他の犬とあまりかかわったことがない犬にとっては大きなストレスの原因になります。
犬種によってタイプは違いますが、これは社会化期に他の犬と交わる機会を設けてきたのかにもよります。
休日の度にドッグランに行ったり、散歩のときに他の犬と触れ合ったりしておくと社交性は身についます。他の犬と一緒にいることに免疫がつくのです。
しかしその機会がなかなか持てないケースもよくあります。
そうなるとペットホテルで過ごす時間はかなりのストレスになるでしょう。
店によっては「ケージタイプ」で預かるか、「個室タイプ」で預かるかの選択ができるところがあります。
そういった環境の違いでも感じるストレスは大きく異なりますので確認してみてください。
信頼できるペットシッターであれば不安はさらに軽減できます
ここでお勧めしたいのがペットシッターというサービスです。ペットハウスに愛犬を預けるのではなく、ペットシッターに自宅に来てもらう方法です。
これだと新しい環境になじむ必要はありません。いつも生活している空間で過ごすことができるのです。愛犬の感じるストレスはまったく違います。
他の犬との接触がないのも安心ですね。ペットシッターであれば、ペットハウスに預けるストレスのリスクはかなり回避することができます。
ペットホテルが窮屈な大型犬を自宅のシッターに預けた事例
ラブラドールレトリバーイエローのラムちゃん、チョコレートのベルちゃん2頭と暮らす飼い主様の事例を紹介します。
普段は奥様が室内で2頭のラブラドールのお世話をしているのですが、力強い大型犬の散歩をしている夫の長期出張が決まり、自宅でつまらなそうにしている犬たちを見てエンのシッターを頼まれました。
日常のルーティーンである散歩運動は愛犬の健康管理として何よりも効果があり、特に大型犬のストレスの発散による問題行動の抑止にも繋がることはあまり知られていません。
今後急な出張時などにサポートをさせて頂きますが、何より飼い主さんの急用による負担、ストレスからも解放され、そこで暮らす愛犬たちも活き活きした表情を見せているのが印象的でした。
今まではペットホテルを利用していた方が、愛犬を預けた際に体調が悪くなるなど気にかかることが増えるようでしたら、都内で多く見かけることも多くなったペットシッターを利用してみてはいかがでしょうか?